卯月(うづき・うつき)は和風月名の一つです。
卯月は何月?、その由来について6つの説を紹介します。
何月?
卯月(うづき・うつき)は旧暦(太陰太陽暦)の4月のことを言います。
現在の新暦に置き換えると、4月下旬〜6月上旬ごろ。
旧暦と新暦では1ヶ月ほどのずれがありますが、現在では「4月の別名」としても使われています。
卯月という言葉は日本書紀、源氏物語、平家物語から使われています。
由来
卯月(うづき・うつき)の由来は諸説あります。
卯の花月・ウツギ月
卯の花が咲く月という意味で「卯の花月」、アジサイ科ウツギ属の空木(うつぎ)の花から「ウツギ月」が転じて、「卯月(うづき)」となったという説があります。
文献では「奥義抄」「和爾雅(わじが)」「名語記」などに記載されています。
十二支の卯
十二支の4番目が「卯(うさぎ)」であることから、4月に「卯(う)」を当てはめて、「卯月(うづき)」となったという説があります。
文献では「清水千清遺書」に記載されています。
植月(うえつき・うゑつき)
稲を植える月という意味の「植月(うえつき・うゑつき)」が転じて、「卯月(うづき)」となったという説があります。
文献では「嚶々筆語(おうおうひつご)」「大言海」に記載。
うみ月
植えた稲が全て芽が出るという意味の「うみ月」が転じて、「卯月(うづき)」となったという説があります。
文献では「兎園小説外集」に記載。
田植苗月(たうなへづき・たうなえづき)
田植えをするため苗を植える月という意味の「田植苗月(たうなへづき・たうなえづき)」が転じて、「卯月(うづき)」となったという説があります。
意味は植月(うえつき・うゑつき)と同じです。
初ぶ月(うぶつき)・産む月(うむつき)
稲を植え、農耕が始まる月であることから、全て始まりを意味する「初ぶ月(うぶつき)」、「産む月(うむつき)」が転じて、「卯月(うづき)」となったという説があります。
1年の循環の境目のことを卯月とする古い考え方があって、その名残りかと柳田国男「海上の路」に書かれています。
以上6つの説を紹介しました。卯の花、十二支の卯以外は、「植える」「産む」などの「う」からの由来が多かったですね。
この時期はイースター、花祭り、十三詣り、穀雨などの季節になります。
詳しくは「4月の年中行事」にまとめているので見て下さい。