皐月(さつき)は和風月名の一つです。
皐月は何月?、その由来について6つの説を紹介します。
何月?
皐月(さつき)は旧暦(太陰太陽暦)の5月のことを言います。
現在の新暦に置き換えると、5月下旬〜7月上旬ごろ。
旧暦と新暦では1ヶ月ほどのずれがありますが、現在では「5月の別名」としても使われています。
由来
皐月(さつき)の由来は諸説あります。
早苗月(さなえづき)
早苗を植える月という意味の「早苗月(さなえづき)」が省略されて、皐月(さつき)となった説があります。
文献では「奥義抄」「和爾雅(わじが)」「日本釈名」「大言海」に記載されています。
神に捧げる稲「皐(さ)」
皐(さ)という字は「神に捧げる稲」という意味があることから、「皐月(さつき)」となった説があります。
浅苗月(あさなへつき)
浅い(短くて小さい)苗を植える月という意味「浅苗月(あさなへつき)」が転じて、「皐月(さつき)」となったという説があります。
文献では「万葉考別記」に記載されています。
小苗月(ささなへつき)
小さい苗を植える月という意味の「小苗月(ささなへつき)」が転じて、「皐月(さつき)」となったという説があります。
文献では「古今要覧稿」に記載されています。
挿月(さつき)
苗を挿す月という意味の「挿月(さつき)」が転じて、「皐月(さつき)」となったという説があります。
文献では「日本古語大辞典」に記載されています。
幸月(さつき)
狩りは5月が良いという意味の「幸月(さつき)」が転じて、「皐月(さつき)」となったという説があります。
文献では「和訓栞」に記載されています。
狩月(さつつき)
薬草を狩る月(薬狩り)をする月という意味の「狩月(さつつき)」が転じて、「皐月(さつき)」となったという説があります。
文献では「六歌仙前後(高崎正秀)」に記載されています。
雨月(さめつき)
雨が多い月という意味の「雨月(さめつき)」が転じて、「皐月(さつき)」となったという説があります。
文献では「名語記」に記載されています。
狭夜月(さよつき)
夜が短い月という意味の「狭夜月(さよつき)」が転じて、「皐月(さつき)」となったという説があります。
長月の対義語とされていました。
文献では「類聚名物考(るいじゅめいぶつこう)」に記載されています。
社月(さつき)
社祭を行う月という意味の「社月(さつき)」が転じて、「皐月(さつき)」となったという説があります。
※「社」は「しゃ」の別音「さ」もあり
文献では「日本語原考(与謝野寛[与謝野鉄幹])」に記載されています。
以上10通りの説を紹介しました。「稲」や「早苗」に関係する由来が多くありました。
この時期は端午の節句、八十八夜、みどりの日、立夏、母の日などの季節になります。
詳しくは「5月の年中行事」にまとめているので見て下さい。