お正月と言えばお祝いごと、お祝い事と言えばおせち料理。おせちには祝い箸、福茶、お雑煮もセットで必要です。
それぞれ何気なく用意していますが、それぞれはどのような意味なのでしょうか?
おせち料理、祝い箸、福茶、お雑煮の意味についてご紹介します。
おせち料理の意味
おせち料理は新年のお祝いに欠かせない料理です。
おせち料理は元々「御節供(おせちく)」の略で、季節の変わり目の「節」に、年神様にお供えする食べ物でした。
それが現代では正月料理を指すようになりました。神様にお供えしたものを食べることで、神の力を体内に取り入れようとしたものです。
五穀を守り、その年を守護する年神様をお迎えし、またご先祖様も子孫のもとに戻ると考えられていたのです。
先祖が食べなれたものをと、地元で採れた食材を使い、毎年同じものをお供えするようになったと言われています。
正月の三箇日(1月1日~3日)は年神様をお迎えするために、台所を騒がせてはいけないと言われていたので、お正月には火を使わない風習があったのです。
おせち料理はその期間に食べる保存食として日持ちするように工夫され、三箇日中美味しくいただける料理になりました。
そういう意味もあり、塩分が少し高く感じられるのかもしれません。
新年を迎えられたことに感謝し、おせち料理を食べるということは、大変意味深いことですね。家族や親せき、お客様と楽しくいただきましょう。
祝い箸
おせち料理をいただくときのお箸は「祝い箸(いわいばし)」という名前です。
袋に水引や寿などの印字がされています。
箸の先端と持ち手の両方が細くなっているのが特徴で、片方は年神様用、もう片方は人用とし、年神様と人間がともに食事をすることを意味しています。
箸袋に名前を書いて、三箇日、又は松の内(1/7まで)は同じ箸を使います。
これは神聖な木とされている柳で作られているので、「家内喜箸(やなぎばし)」とも呼ばれています。
丈夫で折れにくいので、縁起の良いものとされています。
福茶
福茶とは、お湯に梅干しと塩昆布、豆(黒豆や大豆)、山椒などを入れたお茶のことで、正月や節分に飲む習慣があります。
地方によっても入れるものが様々ですね。私は梅干しとするめいかを入れていました。
正月の福茶は、正式には元旦に初めてくんだ若水で作り、大福茶(おおふくちゃ)とも言われています。
これは平安時代の空也上人がお茶に梅干しを入れてふるまい、多くの人の病を平癒させたのが始まりだと言われています。
無病息災への祈りが込められています。
福茶のレシピと作り方
- 塩昆布:適量
- 梅干し:1個
- 豆:3粒
この3つをお湯のみに入れ、熱湯を注げば出来上がりです。
お雑煮
お雑煮は、年神様のエネルギーが宿ったお餅を食べるためのものです。食べることで、生命力が与えられるとされています。
お雑煮という名前は、室町時代の武家社会で祝い善として出された「烹雑(ほうぞう)」に由来しています。
「烹」は煮るという意味で、餅と地元で採れた海の幸や山の幸を雑多に似たことから「煮雑(にまぜ)」とも呼ばれ、これを上下反転させたのが雑煮です。
お雑煮は、各地方の食文化が反映されていることで有名ですね。全国でも場所によって具材も味も様々です。
お餅も角餅か丸餅か、焼くのか焼かずに雑煮に入れるのかなど、その人の好みで出身地がわかるほどに多種多様になっています。
その土地で採れた食材を使うのが正月料理。お雑煮も同じです。独自の発展を遂げてきたお雑煮は、懐かしい故郷そのものですね。
京都風(関西風)お雑煮
焼かない丸餅を入れ、白味噌仕立てなのが基本です。西京味噌を使い、濃くとろみがあるのが特徴。
京都では、根菜は丸く切り、家長や長男に頭芋を入れる習慣があります。
関東風お雑煮
焼いた角餅を入れ、醤油の澄まし汁仕立てが基本です。地方に比べ、江戸の倹約政策より具材は控えめになっています。
お餅以外には、鶏肉、小松菜、里芋、人参、大根などを入れます。
その他のお雑煮
- 岩手:くるみだれに付ける
- 新潟:いくら
- 広島:牡蠣
- 宮城:ハゼの焼き干し
- 香川:あん餅
- 島根:鮎
全国で異なるお雑煮、使われている具材がその場所により様々ですね。
さらに詳しく
おせち料理・福茶・お雑煮は行事食です。
関連:行事食
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