昔の人たちは、月の満ち欠けを1ヶ月にして物事を見ていました。これを旧暦(太陰太陽暦)と言います。
(新月からスタートし、満月になり、そしてまた新月に戻る期間を1ヶ月とする暦のこと)
旧暦では毎月15日の夜はほとんどが満月になるように暦が作られていたことから、月のリズムに合わせて1ヶ月を過ごしてきました。
月の満ち欠けを見ては、その日の大まかな日付を知ることができることから、農業(農作業)の時期を決めたりもしていました。
平安時代の貴族は、月の形に様々な名前をつけて、和歌を詠んだりもしています。
今回は月の名前・呼び名と月齢について紹介します。
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新月(朔)
- 月の名前・呼び名:新月、朔(さく)
- 月齢:0
- 旧暦1日の月
新月とは、太陽と同じ方向にある月のことを言います。
地球と太陽の丁度真ん中に月が来るので、地球からは月が何も見えない状態です。別名「朔(さく)」とも言います。
▲新月の地球・月・太陽の位置関係
新月の呼び方は比較的新しく、英語の"New Moon"から来ているそうです。
旧暦では月の満ち欠けをもって1ヶ月としていたので、毎月1日(晦日朔日[みそかついたち])は必ず新月(朔)でした。
西洋占星術によると、新月は0日であることから「リセット」や「再出発」の意味があります。
月齢とは?
※月齢とは新月を「0」として、そこから何日経過したのかを示したものです。
月の満ち欠けの目安になりますが、必ずしも一致するというわけではありません。
二日月
- 月の名前・呼び名:二日月(ふつかづき)、既朔(きさく)
- 月齢:1
- 旧暦2日の月
新月を1日目と見た場合の2日目の月を二日月と言います。月齢は1。
三日月
- 月の名前・呼び名:三日月(みかづき)
- 月齢:2
- 旧暦3日の月
新月を1日目と見た場合の3日目の月を三日月と言います。月齢は2。
今でもよく使われる月の名前です。
上弦の月(半月)
- 月の名前・呼び名:上弦の月(じょうげんのつき)
- 月齢:7
- 旧暦8日頃の月
新月を1日目と見た場合の8日目の月を上弦の月と言います。
月の形が半分になるため、半月の呼び名で親しまれています。
上弦の月は、右側半分が月が見えていて、左側半分が見えていない状態です。
十三夜月
- 月の名前・呼び名:十三夜月(じゅうさんやづき)
- 月齢:12
- 旧暦13日の月
新月を1日目と見た場合の13日目の月を十三夜月と言います。
十五夜に次いで美しいとされています。月齢は12。
小望月(こもちづき)
- 月の名前・呼び名:小望月(こもちづき)、待宵月(まつよいづき)
- 月齢:13
- 旧暦14日の月
新月を1日目と見た場合の14日目の月を小望月と言います。
満月の前夜にあたることから、期待を込めて名付けられました。
別名「待宵月(まつよいづき)」や「幾望(きぼう)」。月齢は13。
満月(十五夜)
- 月の名前・呼び名:満月(まんげつ)、十五夜(じゅうごや)
- 月齢:14
- 旧暦15日の月
新月を1日目と見た場合の15日目の月を満月と言います。太陽と丁度反対側に月が来るので、月の形が全て見えます。
別名「十五夜(じゅうごや)」や「望月(もちづき)」とも言われています。
9月の満月を十五夜と呼んでいるのは、15日目だからです。
月見団子やすすきをお供えしてお月見をする年中行事が今でも残っています。
旧暦では7月〜9月が秋で、8月(今の9月)は秋の真ん中にあたるため「中秋」と言われています。
この時の月がとてもキレイにみえることから「中秋の名月」と呼ばれています。
月齢は14。
西洋占星術によるお、満月は全てが満ち足りた状態であることから、完成や達成という意味があります。
関連:各月の満月には名前が付いています→「満月の名前(1月〜12月)」
十六夜月(いざよいづき)
- 月の名前・呼び名:十六夜月(いざよいづき)
- 月齢:15
- 旧暦16日の月
新月を1日目と見た場合の16日目の月を十六夜月と言います。「十六夜月」と書いて「いざよい月」と呼びます。
いざよいとは、ためらいという意味。十五夜よりもやや遅れて、ためらって上ることから名付けられました。
月齢は15。
立待月(たちまちづき)
- 月の名前・呼び名:立待月(たちまちづき)
- 月齢:16
- 旧暦17日の月
新月を1日目と見た場合の17日目の月を立待月と言います。月齢は16。
「今か今かと立って待っているうちに出てくる月」と言われたことから名付けられました。
居待月(いまちづき)
- 月の名前・呼び名:居待月(いまちづき)
- 月齢:17
- 旧暦18日の月
新月を1日目と見た場合の18日目の月を居待月と言います。「居待月」と書いて「いまち月」と呼びます。
「居間に座って月が出るのを待つ」という意味から名前がつけられました。月齢は17。
寝待月(ねまちづき)
- 月の名前・呼び名:寝待月(ねまちづき)、臥待月(ふしまぢづき)
- 月齢:18
- 旧暦19日の月
新月を1日目と見た場合の19日目の月を寝待月と言います。別名「臥待月(ふしまぢづき)」。
「寝て待つほど月の出が遅い」という意味から名前がつけられました。月齢は18。
更待月(ふけまちづき)
- 月の名前・呼び名:更待月(ふけまちづき)
- 月齢:19
- 旧暦20日の月
新月を1日目と見た場合の20日目の月を更待月と言います。
「夜更けまで待ってやっと出てくる月」という意味から名前がつけられました。
亥の刻頃になることから「亥中の月(いなかのつき)」とも呼ばれています。
月齢は19。
下弦の月(半月)
- 月の名前・呼び名:下弦の月(かげんのつき)
- 月齢:22
- 旧暦23日頃の月
新月を1日目と見た場合の23日目の月を下弦の月と言います。月齢は22。
月の形が半分になるため、半月の呼び名で親しまれています。
下弦の月は、右側半分が月が見えず、左側半分が見えている状態です。
有明月(ありあけづき)
- 月の名前・呼び名:有明月(ありあけづき)、下弦後の三日月
- 月齢:25
- 旧暦26日の月
新月を1日目と見た場合の26日目の月を有明月と言います。
「夜明けの空(有明の空)に出る月」という意味から名前がつけられました。
別名「下弦後の三日月」とも言われています。月齢は25。
三十日月
- 月の名前・呼び名:三十日月(みそかづき)
- 月齢:29
- 旧暦30日頃の月
新月を1日目と見た場合の30日目頃の月を三十日月(みそか月)と言います。ほぼ新月。
月末を晦日(みそか)と言うのは、ここから来ています。
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