「こどもの日」と言えば5月5日に、鎧兜(よろいかぶと)を飾り、鯉のぼりを立てて、男の子の成長や立身出世を願うお祝いの日であることが定着しています。
では「なぜ鯉のぼりを立てるのでしょうか?」、端午の節句の意味については、知らない方も多いと思います。
こどもの日、端午の節句のについて詳しくご紹介します。
端午の節句の意味
こどもの日と言えば「端午(たんご)の節句」と言われています。では端午の節句とはどういう意味なのでしょうか?
端午の節句とは、この時期に盛りとなる菖蒲を色々な形で用いることから「菖蒲の節句(しょうぶのせっく)」と呼ばれています。五節句の一つ。
元々は古代中国で、菖蒲を強い香気で邪気をはらう魔よけの行事として行われていました。
平安時代に日本に伝わり、宮中で「端午の節会」が開催され、それが田植えの前の行事と結びつきました。
その後武士の時代になると、「菖蒲」が「尚武(武道や武勇を重んじること)」や「勝負」という言葉に通じることから、男の子を祝う日になったのです。
端午の節句が五月五日になった理由
端午の「端」は「はじめ」「物事の始まり」を表しました。また端午の「午」は午の日のことです。
つまり、端午は「月の初め午の日」という意味です。午の月は暦上5月にあたるので、当初は5月の最初の丑の日に端午の節句が行われていました。
それから「午(ご)」と「5(ご)」が同音であり、奇数月と日にちの数字が重なる日を祝う習わしから、5月5日が端午の節句となりました。
菖蒲湯
菖蒲の茎ごと束ねて湯船に入れるだけでもOKです。また、菖蒲を細かく切りボウルに10分ほど熱湯内に入れ、ざるでこしながら湯船に入れてもOKです。
菖蒲から溶け出したテルペンという成分が、皮膚や呼吸器から吸収され、疲労回復・精神安定・鎮静効果などの健康効果があります。
菖蒲は5月5日が近づくと花屋や八百屋に並ぶようになります。購入するときはテルペンが含まれている茎付きのものを買うようにしましょう。
こどもの日になぜ鯉のぼりを飾るようになったのか?
鯉のぼりを飾る風習は、江戸時代に始まりました。武家では男児が生まれたときに幟(のぼり)を揚げる習わしがありました。
神様に男の子の誕生を知らせ、守ってくださいとお願いするための目印として鯉のぼりが掲げられるようになったのです。
鯉というのは出世の象徴で、登竜門という意味もありました。鯉が滝を登って龍になったという故事から来ています。
当初は真鯉のみを空に泳がせていましたが、明治時代になると緋鯉に、昭和になると子供の数だけ子鯉を飾るようになりました。
また、現代では水に濡れても大丈夫なナイロンやポリエステルの素材になっています。
江戸時代は和紙、大正時代は綿で作られていたそうです。その為、雨が降らない日を見計らって飾られていました。
五月人形の種類について
子供の厄を引き受けて守る五月人形は「武者人形」とも呼ばれています。
また、熊に乗っている力持ちの金太郎、武芸の達人の牛若丸、力持ちの知恵もの弁慶などの人形も人気です。
その他、兜や鎧だけを飾ったりもします。戦いで武士を守る道具を飾ることで、子供を災いから守れるようにとの願いと同じように勇ましくあってほしいという願いも込められています。
こどもの日(端午の節句)の食べ物
こどもの日(端午の節句)の食べ物を紹介します。
柏餅
端午の節句には欠かせない柏の葉で包まれた和菓子。
柏の葉は新しい葉が出ないと古い葉が落ちないので、家が途絶えることがない子孫繁栄の象徴としての縁起物です。
江戸時代に始まり、定着しました。
ちまき
関西では、ういろうや葛を包んだちまきが主流です。ちまきは端午の節句と一緒に中国から伝わってきました。
子供が無事育つようにとの魔よけや邪気を払うという意味があります。
元々は茅(かや)や笹の葉でもち米を包んで蒸したものでした。
ブリや鰹
鰤(ブリ)は大きくなるとイナダ・ワラサ・ブリと名前が変わる縁起の良い出世魚です。その他、スズキも同様です。
また、鰹は「勝つ」という言葉にかかる食べ物です。どちらも子供の健やかな成長を願う気持ちが込められています。
最後に
こどもの日(端午の節句)とは?五月人形の種類、なぜ鯉のぼりを飾るようになったのか、食べ物についてご紹介しました。
5月5日は祝日となっています。男の子だけでなく女の子の成長を願う日でもあります。
柏餅やちまきを食べ、夜は菖蒲湯に入ります。家族そろって楽しめる行事ですね。
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「こどもの日」の柏餅・ちまき・ブリ・鰹は行事食です。
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端午の節句は五節句の一つです。
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